第11話 最後の虚構
ここまでの3つの案は掲示板の住民には受け入れられなかった。


でも確実には疑問に思う人間を生み出せた。
少しでも信者を減らせれば良いと紗季は考えた。
しかし六花は一番信じるものが多い未来を確定させてきた。
そこが琴子の狙い目だった。


ここまでの3案の細部は反証出来なかった。
掲示板に集まる人々の心に父親、姉の不審な行動を種として植え付けた。
それらを利用して最後の第4案を書き始める。
鋼人七瀬を生み出した犯人は七瀬かりんである。


琴子の最後の案が語られる。
七瀬かりんはマスコミから隠れる生活に疲れていた。
七瀬かりんを捨てて一般人として暮らそうと考えた。
その時、偶然人も顔以外の容姿がよく似た他人と遭遇する。
彼女は身代わりを閃いた。
彼女を言葉巧みにホテルに誘い替え玉を依頼する。
入れ替わることで相手の生活も変わることが望ましかった。
そこで部屋の色んな所に指紋を残させて自分そっくりに変身させる。

そして夜に工事現場で打ち合わせを伝える。
替え玉の彼女を気絶させて、鉄骨で顔を潰して身代わりにした。


自身は彼女と入れ替わって暮らす。

彼女にとって問題は七瀬かりんの死亡を信じてもらうこと。

そこで彼女自身が亡霊に化けて行動してきた。


このアイデアはここまでのアイデアと似た部分がある。
それだけに掲示板の住民には想像が容易になる。
ここまでの3案で色んな可能性を告げてきたからだ。
暗黙の誘導とも言える手法だった。
住民自身が勝手に推理を始めたのだった。
可能性を語り想像し始めたのだ。


ここで残る問題の寺田事件の可能性を語る。
鋼人七瀬の活動中に寺田刑事に見咎められた。


彼は亡霊を信じていなかった。
しかし七瀬かりんが目の前に居ると分かった。
七瀬かりんは咄嗟に寺田刑事を殴って気絶させた。
そして手頃な石で顔を潰したのだった。
こんなデタラメの嘘でも住民は検討を始める。
ここまでのいくつかの可能性や推理を元に勝手に推理を始めたのだった。


こうなると六花が反論する時間もアイデアも間にあわない。


止めの一撃、七瀬かりんこそが亡霊を信じ込ませようとこの
まとめサイトを管理しているのだ。

そんな嘘でさえ六花は反論できなくなっていた。
様々な人が色々な角度から想像を開始したのだった。
論点が定まっていないので最も都合の良い未来が決め兼ねたのだった。
嘘に依って生まれた怪物は嘘によって滅びる。
九郎がついに鋼人七瀬を仕留める。
こうして琴子の勝利が定まる。
---次回 「秩序を守るもの」---
今回の事件はネットの掲示板が信じたいもっともらしい嘘を与えること。
何処かに突拍子もない嘘と、興味をひかれる内容を盛り込むこと。
それでネットの住民は勝手に想像を始めること。
真実である必要はない。
捏造でも良いから誰もが考えつかない可能性を与えること。
それで勝手に色んな方向に思考が生まれ議論される。
その状態になると一つの可能性だけでは抑えきれない。
嘘、噂の本質を上手く用いた戦術でした。
面白ければ良い、刺激的であればいい。
そんな嘘を提案するだけで良い。
後は各人が色んな見地から想像すればいい。
そうなると六花の未来決定能力では対応できない。
面白い内容と解決ですね。
現実的にはよく似た容姿の人間と出会う可能性なんて無いに等しい。
都合よく気絶させられるわけもない。
ましてや刑事ですから無理は分かっている。
それでも信じて議論したくなる内容を提供することでした。
面白い作風です。
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